1936年に出版以来、世界で1500万部以上、日本で500万部以上売れている歴史的ロングセラー、デール・カーネギーさんの「人を動かす」をご紹介します。
ビジネスの世界ではいかに人を味方につけ自分のために動いてもらうかが重要。そのためにはどうしたら良いかということが本書では解説されています。
人に影響を与える30原則があるけど言いたいのは一つ
本書では人に影響を与えるための計30原則が説明されています。
- 人を動かす3原則
- 人に好かれる6原則
- 人を説得する12原則
- 人を変える9原則
の合計30原則にもなり膨大なボリュームです。
それぞれ大事ではありますが、これらの30原則で著者が結局言いたいことをひとことで言ってしまうと「相手を褒めて相手に重要感を伝える」ということです。
※詳細をきちんと把握したいという人は是非本書を購入ください。
相手を褒めて相手に重要感を伝える
相手に、”あなたは社会にとって重要です、必要不可欠です”ということが伝わって、“自分はとても重要な人間なんだ”と思わせることができれば必ず相手は動いてくれます。
自動的にあなたのために動きたいという衝動にかられ味方になって動いてくれるようになるんです。
なぜ人を動かすことができるのか?
相手に重要感を持たせることでなぜ人を動かすことができるのか?
それは人間の承認欲求にダイレクトにアプローチするからです。
人間には、食欲・性欲・睡眠欲という三大欲求のほかに、自分を重要な人物だと思いたい、すなわち「承認欲求」というものが存在します。
しかもこの承認欲求は人間の持っている感情の中で最も強いものとも言われています。
もはやこの「他人に認められたい」という感情は、人間の根源にある最も強い”欲望”だと言っても過言ではありません。
相手に重要感を持たせるということは、相手の承認欲求に直接訴えかけることになり、それが満たされることによって相手は自動的に動いてくれるようになるんです。
例えば・・・
以下の場合どちらが相手に気持ちよくやってもらえると思いますか?
①「この仕事、誰がやっても別に変らないけどちょっとやっといてくれる?」
②「この仕事は君にこそ是非やって欲しい。力を貸してほしい。」
言うまでもなく②です。②の方が相手の重要感を刺激し、この仕事に対するモチベーションが超絶UPします。
相手に重要感を持たせるには
・相手の名前を覚える
・相手を批判しない
・相手の話をよく聞く
というような細かいテクニックはありますが、最もシンプルかつパワフルな方法は、「相手を褒める」ということです。
大切なのは、うわべだけで褒めない
ここで気を付けなければなならないことは、うわべだけで褒めないということです。
誰が見てもうわべだけのゴマすりだと思われてしまったら周りからは調子のいいヤツだと言われてしまいますし、相手自身もゴマすりなのか本心から言っているのかくらいはすぐに分かります。(しかし、ゴマすりだと分かっていてもいざ直接褒められると嫌な気はしないのが人間の本性ではありますが)
大切なのは、心の底からいいなとかすごいなと感じたことを直接相手に伝えましょう、ということです。もしかしたらその良さは相手が自分の中で意識している自惚れポイントかもしれません。それがピッタリ合致したときには効果が絶大になります。
「嫌われる勇気」と矛盾?
よく本を読んでいる方はお気づきかと思いますがアドラー心理学を基にした「嫌われる勇気」では相手を褒めるなと言っています。
「『嫌われる勇気』って結局どんな話なの?」の記事でも書いた通り、褒めることは一定の副作用があります。”もっと褒められたい”という欲求を刺激しいわゆる承認欲求の奴隷を生み出してしまうことにつながります。
↑まだお読みいただけていない方は是非読んでみてください。
以前お伝えした通り短期的モチベーションの特効薬となる「褒める」と長期的な自主性を生む「感謝」をうまく使い分けることが重要です。
まとめ
- 人を動かすにはとにかく褒める。心から褒める。わずかなことでも褒める。
- 1分1秒を争うビジネスの世界では褒めまくってガンガン相手を動かすのが得策。
- 身内には「承認欲求の奴隷」を生み出さないように「感謝」を伝える。
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