『伝え方が9割』って結局どんな話なの?

サラリーマン処世術

今回は佐々木圭一さんが書かれたベストセラー『伝え方が9割』のご紹介です。
佐々木さん曰く、「伝え方は才能ではなく、今この瞬間からでも身に付けられる技術です」とのこと。

まず結論

伝え方が9割、すなわち人生を左右するほど伝え方は大事!

【例】仕事の納期が間に合わない時をイメージしてください。

①「納期が間に合いそうにないので延長してください」
②「クオリティを上げたいのでちょっと粘ることできませんか」

どうですか?
①は完全にNGで、こいつは納期も守れないし信用できないと思われてしまいます。
一方、②は、納期を延ばすことでクオリティを上げることができるなら納入先にもメリットがあり検討してもらえる可能性が少しは上がります。

内容は同じなのに、伝え方を工夫するだけで結果が大きく変わってくるという例です。

伝え方を工夫して相手からYESを引き出す確率を上げられるというのが事実です。

これが積み重なると、人生を左右するほどの大きな違いになるんです。

伝え方のテクニック

どうやって伝えたら相手からYESを引き出せるか?を考えるにあたり、まずは基本のルールが存在します。

第1ステップ:自分の頭の中をそのまま言葉にしない
第2ステップ:相手の頭の中を想像する
第3ステップ:相手のメリットと一致するお願いをつくる

好意を抱いている相手に対しデートに誘う場合を例に、第1~第3のステップを考えてみます。

第1ステップ:自分の頭の中をそのまま言葉にしない

「デートに行きましょう」とストレートに言うのはNGです。
 →顔面偏差値が70くらいあればそれでもOK。普通の人はそれではYESは引き出せません。
 違った伝え方を考える必要あり!

第2ステップ:相手の頭の中を想像する

相手は普段どんなことを考えているのか?どんなことが好きなのか?を考えます。
まずはデートのことは忘れて、相手のことだけを考えます。
仮に、イタリア料理が好き、ということが分かったとします。

第3ステップ:相手のメリットと一致するお願いをつくる

すなわち、自分のデートして欲しいという思いと、彼女にとってのメリットを合体させるということで、その結果このような誘い方になります。
「驚くほどうまいパスタがあるんだけど一緒に食べに行かない?」

どうですか?ここでのポイントはデートして欲しいけど、デートという言葉は使わないんです。
こうすることで相手がデートに行きたいと思っていなくても一緒に行ってもらえる可能性は格段に上がります。

その後うまくいくかいかないかは別の話ですが、少なくとも自分をアピールする機会だけでもゲットすることができます。
このように伝え方を工夫するだけで目的達成に近づけるということです。

YESを引き出すための切り口

本書では、YESを引き出すための切り口として次の7つが紹介されています。

1.相手の好きなこと
2.嫌いなこと回避
3.選択の自由
4.認められたい欲
5.あなた限定
6.チームワーク化
7.感謝

先ほどのデートの例では、「1.相手の好きなこと」を使ったものでした。
ここではすべてはご紹介しませんが、この中から「2.嫌いなこと回避」と「3.選択の自由」について取り上げます。どれも勉強になりますのでぜひ本書を購入して読んでみてください。

嫌いなこと回避

例えば、公園などで芝生に入って欲しくない場合があったとします。
そのときどのような看板を立てますか?

「この芝生には入らないでください」
→これではダメなパターンの典型です。自分の頭の中をそのまま言葉にしているだけです。

ではどうするか?
相手の嫌なことをイメージするとこのような言葉になります。
「こちらの芝生に入ると農薬の匂いがつきます」

選択の自由

相手に気軽に選ばせてあげて、YESを引き出すということです。

人間は決断するのが大の苦手です。
漠然と「この件どうしますか?」と聞いてしまうと、相手は自分の中で取りうる選択肢を考えてどうすべきなのかを考えて答えを出すというプロセスになります。
場合によってはよく考えるからまた後で、なんて回答を先延ばしされてしまうかもしれません。

相手からYESを引き出すには、相手の決断のストレスを極限まで下げてあげる必要があります。

そこで提案する側から選択肢を提示してあげます。
「AとBが考えられますがどちらがいいですか?」
選択肢にすることで格段に相手からYESの回答を引き出しやすくなります。

さらに組み合わせた例として、先ほどのデートの件では、相手の好きなパスタに加えて、選択肢として石窯で焼いたピザを加えます。すると、デートに行くか行かないかではなくパスタなのかピザなのかという、自動的にデートに行く前提で話を進められてしまうのです。

どうですか?伝え方で結果が大きく異なることを実感いただけたでしょうか。

他にもこのような例があります。
商談のアポを取りたいとなったときに、「商談をお願いします」とだけ伝えるのではなく、「商談をお願いしたいのですが、4/12と4/14ではどちらがご都合よろしいですか?」と伝えるんです。こうすることで、商談しないという選択肢を除外してしまうのです。
さらにさらに、商品購入を勧めるにあたって、「商品を買ってください」ではなく「買うとしたらAとBのどちらが良いですか」ということで、相手は買うか買わないかは考慮せず、一足飛びにどっちがいいかなと商品の検討に入ってしまうんです。すべてがこのようにうまくいくとは限りませんが、伝え方次第で相手からYESを貰える可能性がアップするということです。

また、このこと知ることは自分にとっても役に立ちます。逆に相手から選択肢の提案を受けた場合、これを知っているだけで、選択肢以外から考えるのもありという思考が生まれます。すなわち相手の誘導に乗らずに冷静な判断ができるという訳です。

伝え方のテクニックを知っておくことで、商談や交渉での防御力を上げることにもつながります。

相手の心に響く強い言葉

強い言葉には、5つのパターンがあると本書では解説されています。
その5つのパターンというのが、以下のとおり。
1.サプライズ法
2.ギャップ法
3.赤裸々法
4.リピート法
5.クライマックス法

この中から、「2.ギャップ法」と「5.クライマックス法」をご紹介します。

ギャップ法

言葉のギャップを使って強い言葉を生み出すというものです。

例えば、SMAPの「世界に一つだけの花」の歌詞では、
No.1にならなくてもいい
もともと特別なOnly one
ということで真逆の言葉を用いることで強い言葉を生み出しています。

また、元アメリカの大統領オバマ氏が当選したときに言った言葉、
「これは私の勝利ではない。あなたの勝利だ。」
これも見事なギャップ法です。
自分を否定した上で国民の勝利と位置づけ、国民との一体感を高めた表現となっています。

クライマックス法

大事な内容であることをアピールする言葉を冒頭に付けるというやり方です。
「ここだけの話ですけど」
「これだけは覚えておいてほしいんですが」
「ここが結論なんですけど」

と頭に付けるだけで相手の食いつき方が変わってきます。
相手の集中力は一定ではありませんので、自分が一番話したいポイントで付けるのが効果的です。

まとめ

伝え方の基本ルールは3つのステップがあります。
第1ステップ:自分の頭の中をそのまま言葉にしない
第2ステップ:相手の頭の中を想像する
第3ステップ:相手のメリットと一致するお願いをつくる

YESを引き出すための切り口7つのうち、「1.相手の好きなこと」、「2.嫌いなこと回避」、「3.選択の自由」をご紹介しました。
1.相手の好きなこと
2.嫌いなこと回避
3.選択の自由
4.認められたい欲
5.あなた限定
6.チームワーク化
7.感謝

相手の心に響く強い言葉5つのパターンから「2.ギャップ法」、「5.クライマックス法」をご紹介しました。
1.サプライズ法
2.ギャップ法
3.赤裸々法
4.リピート法
5.クライマックス法

人と話すときは是非、伝え方を工夫してみてください!


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